広告写真を見て一目惚れ、なんてことがあります。
私の場合は中学生の頃に見たバドソンVz61です。
男性が後ろ手に組んだ右手に握られたVz61の画像を見て「世の中にこんなカッコいいサブマシンガンがあるのか!?」と興奮しました。
チェコスロバキア(当時)という東側(懐かしい表現です)銃器の情報は専門誌でも少なく、コンパクトで特徴的なデザインに魅了されてしまいました。
当然バドソンのVz61を手に入れようとしましたが、定価2万円は手が出せず、1年後くらいにSWATに入荷した中古を買いました。
Gun誌の記事を見ながらアッパーとロアレシーバーの染色を変えたり、店にあった打刻ポンチでシリアルを入れたりしました。
如何せんバドソンのモデルガンは手強く、実銃の発射サイクルがクローズドボルトなのに大胆にオープンボルトにアレンジされたりと満足いかない点は多々ありますが、今でも愛着のある大切な一品です。
その後マルゼンのガスブロやマルイの電動が出ましたが、どちらもモデルガン化のベースになりそうもなく更に年月が過ぎ、KSCからVz61のガスブロが発売になり、これをベースにモデルガン化をすることを決めました。
モデルガン化については、今までもブレンテンやSIG P210のモデルガン化でお世話になったMFC工房さんにお願いしました。
これで念願のVz61モデルガンが実現するぞ!
...と製作依頼したのが6年前のことでした。
MFC工房さんはご高齢の上、病を患われ、なかなか製作を進めることが出来きませんでした。
一時は
「自分としては完成までやりたいのですが、これ以上お待たせするのは心苦しいので中断しますか?」
との連絡がありましたが、多分これが最後の依頼になるであろうと予感していたので、
「MFC工房さんの気が済むまでやって下さい!」
とお願いしました。
MFC工房さんが途中入院されたりして進捗は捗々しくなかったのですが、この度
「完成しました!」
との連絡があり、やっと完成した嬉しさとこれが最後の作品であることの寂しさの混じった感情で完成品を受け取りました。
ダミカモデルとしてMFC工房さんのこだわりがビシビシと感じられます。
カートを排莢させるだけならMFC工房さんなら造作もないことですが、こういった目に見えない部分へのこだわりがさすがプロの仕事ですね。
外観もユーズドな感じでブルーイングしてもらいました。
ガスガン→モデルガン化なので安全対策としてバレル閉鎖は当然として、ちゃんとバレル閉鎖していることがわかるインジケータが見えています。
グリップやフォールディングストックが取り付けられるのはさすがKSCです。
Vz61と出会い40年掛かって満足いくモデルガンが実現する、この趣味は長く楽しめますね。