レースガンは単独のガンスミスまたはショップで製作されるものですが、中には色んな経緯で他のガンスミスの手が入ったハイブリッドなカスタムもあります。
月刊モデルガンチャレンジャーのレポーターのイチロー・ナガタ氏は当時ビアンキカップ出場のため色々なカスタムを試していました。
少しでも勝てるカスタムを!、と暗中模索されたのでしょうが、高価なP210をジム・ボランドにカスタムしてもらったのは驚きました💦
「良く当たる銃をベースにすれば良いレースガンが出来る」と考えられたのでしょうが、P210カスタムはチャレンジャー誌で特集された後、ビアンキカップで使われたという記事はなかったので、「作ってはみたものの…」と結局使われなかったのではないかと推測されます。
バブルの終わり頃とはいえ、こんな贅沢なカスタムをオーダーできたなんて景気良かったんですねぇ。
時は流れて90年代のGun誌の表紙を見覚えのあるP210カスタムが飾りました。
特徴的なワンピースグリップはボランドカスタムのそれですが、当時には無かったコンペンセイターが付いていて、表紙の説明にはブルース・グレイカスタムとあります。
Gun誌の「表紙に載ってるけど特集記事はない」パターンだったので後の特集記事には、P210カスタムはイチローさんからブルース・アンジェロに渡り、Gray Gunの作者であるブルース・グレイの手によりスチールチャレンジ用カスタムに生まれ変わっていました。
見た目バランスの悪そうなエイムポイントマウントの代わりにコンペンセイターが付いている方が使えそうな気がします。
ブルース・アンジェロがこのカスタムを使ってスチールチャレンジでどんな成績を収めたのかは分かりませんが、複数のオーナーとカスタムビルダーを渡り歩いたP210にとっては、死蔵されるよりは活躍の場を与えられたので良かったのではないかと思います。
今回のカスタムはYさんにマルシンP210をモデルガン化していただき、アートルームユニコーンさんで外装ガスタムをお願いしました。
スチールのワンピースグリップは樹脂で再現していただきました。
雑誌で見たときは「いくらフルチェッカーでも握りにくそう…」と思っていましたが、握ってみると見た目よりほっそりしていて握りやすいです。
ブルース・グレイ作のコンペンセイターはボランドカスタムに後付けされたたとは思えないくらいマッチしています。
リアサイトはMGCのミレットサイトの流用です。
実物のミレットサイトは入手出来ないので今も手に入るMGCのパーツには感謝です。
ガバっぽいアンビセフティはマルイガバ用を流用して製作していただきました。
左利きにも安心のカッチリした操作感です。
米国のマッチシューターに使い慣れたガバのガスタムと比べてP210カスタムの操作性は良かったのか感想を聞いてみたいものですね。
お約束のカートチラリ画像をw
80年代のレースガンは40代後半以降の人たちにしか刺さらないニッチなジャンルですが、これからもチャレンジしていきたいです。
↧
アップサイクル?
↧